住宅ローン借り換え
2001年3月に量的緩和が解除され、2006年7月にはゼロ金利政策も解除されました。量的緩和政策とは、マネーサプライ(通貨供給量)を増やすために日本銀行が金融市場に大量に資金供給を行う異例の金融緩和政策です。バブル崩壊後、短期金利を0%に抑えるためのゼロ金利政策に追加されるかたちで、5年前に金融緩和を目的に導入されました。2002年2月に始まった景気拡大期間がいざなぎ景気を超えたことで緩和措置が解除されたわけですが、その実感はまったくありません。むしろ今後の金利上昇の危惧感のほうが大きいです。
住宅ローン金利
このことにより、私たちの生活に及ぼす影響は、預金金利の引き上げが期待できるものの、その半面住宅ローンなどの金利も上昇して家計を圧迫してくるのは必至です。金利は上がり始めると意外に早いスピードで上がり始めるという特徴を持っています。住宅ローンを組んだ当初と、現在とでは身の回りの状況や環境が変わってしまい、思うようにやりくりができなくなったという事は、珍しくありません。
金利上昇のリスクに対処する方法として住宅ローンの借り換えがあります。住宅ローンの借り換えとは、別の住宅ローンを新しく借り入れることで、現在返済中の住宅ローンを一括返済するということです。より低金利のものに借り換えれば、予算の削減が期待できます。 公的融資を銀行ローンに、または現在取引中の銀行から他の銀行へ換えるパターンがあります。ただし、公的融資への借り換えは、残念ながらできません。
以前は物件の担保評価がローン残高より低いと借り換えられなかったのですが、最近は、担保割れが1000万円までなどと一定の範囲以内であれば借り換えが可能な銀行も増えてきています。金利はどのように決まるかといえば、長期固定型や固定期間選択型は長期金利に左右されやすく、変動金利型は市場の短期金利をコントロールしている日本銀行(日銀)の金融政策によって上下することが多いのです。長期金利はすでに上がり、固定期間選択型に波及している。特に対策が急がれるのは、金利が上がり始めた固定期間選択型と、近い将来、上がる可能性が出てきた変動金利型の住宅ローンを借りている人たちで、現在、貸し出されている住宅ローンの8割は固定期間選択型と変動金利型が占めています。
借り換え時の注意点
住宅ローンを借り換える際の注意点をあげてみます。 新たにローンを組むのと同じなので、抵当権設定登記などの諸費用がかかりますので、十分はチェックが必要です。主なものは、
1、借り換え前のローンの抵当権抹消費用。
2、登録免許税 (借り換え後のローンの抵当権設定費用、税額は債権金額の1000分の4)
3、司法書士手数料(通常、設定する債権金額により変動します)
4、ローンの保証料、事務手数料
5、印紙税
6、火災保険料などがあります。
金額などは各金融機関によって異なりますが、おおよその目安は、総額で60万~80万円程度です。
ただし、保証料無料のローンの場合、総額で30万円程度になります。 住宅ローンの借り換え先は、民間金融機関のみとなります。住宅金融公庫や年金などの公的融資、フラット35への借り換えは残念ながらできません。公的ローン、またはフラット35から民間金融機関に借り換えると、再び公的ローン・フラット35へ借り換えることはできませんので、注意しましょう。
借り換えで得をするには、諸費用の金額以上に、利息の軽減効果があることが前提になります。目安としては、(1)ローンの残高が1,000万円以上 (2)借り換え前後のローンの金利差が1%以上(3)返済の残りの期間が10年以上の3条件をクリアしていれば、ほとんどのケースで借り換えが得になります。 借り換え前のローンにおいて、保証料を一括前払い方式で支払っている場合、借り換え時に保証料が返戻されてくることもあります。これについては、金額が大きいこともあるので、ちょっと頭に入れておいてください(上記の諸費用には保証料の返戻分は含まれません)また、借り換え後においても、繰上返済手数料、金利切替手数料、条件変更手数料、証明書発行手数料などが必要になる場合があります。その中でも、資金的に余裕ができたときに行う繰上げ返済では、金融機関によって、繰上返済手数料を「とる」ところと「とらいない」ところがあるので注意が必要です。
住宅ローンの借り換えは、総返済額を減らし、返済中の負担を減らすことです。しかし専門家であっても将来の金利を予測するのは大変難しいことです。借り換えることで何をしたいのか、目的をはっきりさせることでその借り換えにメリットがあるかどうかがわかってきます。いずれにしても、住宅ローンを借り換えるときは、現状のままの場合と、借り換えた場合を複数の金融機関でシミュレーションしてみることが大切になります。